仕事が原因で「うつ病になった」と聞くことはあるかと思いますが、「適応障害になった」とはあまり聞きません。
ですが今、仕事(職場)が原因で適応障害の症状で悩んでいる人が増えています。
後ほどうつ病と適応障害の違いについても触れますが、適応障害とうつ病は別のものだけど危険という事を理解しておいてください。
今回は【職場環境が原因で適応障害になった時の対処法と予防法】についてまとめましたので、『最近仕事に行くのがつらい』『心が折れそうだ…』と感じている方はぜひ読み進めてください。
目次
適応障害とは?うつ病と違うの?
最初に適応障害の定義について理解しておきましょう。
適応障害とは?
適応障害は、ある特定の状況や出来事が、その人にとってとてもつらく耐えがたく感じられ、そのために気分や行動面に症状が現れるものです。
たとえば憂うつな気分や不安感が強くなるため、涙もろくなったり、過剰に心配したり、神経が過敏になったりします。
また、無断欠席や無謀な運転、喧嘩、物を壊すなどの行動面の症状がみられることもあります。
引用:厚生労働省HPより
このように適応障害は身の回りの状況の中で強いストレスにさらされると発症する精神疾患です。
適応障害とうつ病は似て非なるもの
適応障害はうつ病と同じように思われる方もいるようですが、適応障害とうつ病は別の疾患です。
ではうつ病と適応障害の違いについて下の図をご覧ください。
うつ病 | 適応障害 | |
発症の原因(トリガー) | 引き金になる要因がなくても発症することが多い。 | 発症するには引き金がある。 |
改善のタイミング | 原因が無くなってもすぐに良くならない。 | 原因になるストレスがなくなるとすぐに改善する。 |
特徴 | 一旦落ち込む(うつ状態になる)と全ての事が楽しめない。 | うつ状態でも楽しい事があると楽しめる。 |
罹患しやすい性格 | 几帳面、責任感が強い、執着気質 | 特になし |
薬の効果(投薬治療) | 効果あり | 効果はあまり期待できない |
このように、症状は似ているようでも適応障害とうつ病ではきっかけや特徴が違うのです。
といっても適応障害の診断を受けた方の約40%の方は5年後にはうつ病という診断になっているデータもありますので、適応障害はうつ病の一歩手前の状態ともいえますので注意が必要です。
では具体的に適応障害の症状にはどのような症状があるのかを学んでおきましょう。
適応障害の症状
適応障害は心身にさまざまな影響が出てきます。
適応障害の初期症状が出ても「体調がよくないな。疲れが溜まってるのかな?」程度であまり気にしない方がほとんどです。
自分が適応障害なのかわからないまま、気づいたら症状が悪化していたという事もありますので、適応障害の代表的な症状についても理解しておきましょう。
もしあなたが「最近なんか調子が良くない」と感じているのであれば、自分の今の状況と照らし合わせながら読み進めてください。
体に出る症状
- 動悸
- 発汗
- 頭痛
- めまい
- 食欲不振
- 不眠
- 疲労感・倦怠感
- 肩こりなど
これらの症状は風邪や更年期障害の症状と似ていますので、適応障害とは考えないと思いますが、一定のストレスにさらされている時だけこのような症状になるのであれば適応障害も疑っておくといいでしょう。
情緒的な症状
- 不安感
- 怒り
- 焦燥感
- 憂鬱
- 過敏
- 混乱など
適応障害の症状が心に影響すると、パニック障害や情緒不安定に似た形で現れます。
職場でのストレスが原因でメンタルに影響が出てもなかなか理解してくれないので、これらの症状を我慢しながら過ごす方もいますので注意が必要です。
症状が行動に現れる場合
- 遅刻・欠勤
- 対人恐怖
- 電話恐怖症・メールの返信ができなくなる
- 過食・拒食
- 暴力的になる。危険運転
適応障害が心身に影響してくると、その症状は行動に現れる場合もあります。
「最近怒りっぽくなった」
「暴飲暴食が多くなった」
「お酒の量が増えた」
「会社に行きたくない」
という事がある場合は適応障害の可能性も考えられます。
適応障害の治療法
適応障害の治療はまずはストレスの原因を突き止めるところから始まります。
その上で大きく次の3つの方法で治療を行います。
1、環境調整
環境調整とはストレスの原因、負担を軽くするようにしたり、体調管理や休眠(休息)、気分転換といった方法があります。
食事はバランスよく腹八分目を心がけ、適度な運動とぐっすり眠る、趣味を楽しむ時間を作るのも効果的です。
2、認知行動療法
適応障害の認知行動療法とは、自分がストレスにさらされている事を受け止めて、ストレスがかかる場面での対処法、負担を軽減する方法を学び、自分でセルフコントロールできるようにする方法です。
3、投薬治療
前述しましたが、適応障害には薬の効果があまり期待できません。
不眠の症状が出ているのであれば、睡眠薬や入眠導入剤を処方したり、重症化していれば抗不安薬を処方します。
ですが薬はあくまでも適応障害の治療の”補助的な位置付け”になります。
適応障害になった時、仕事はどうするか?
前述した適応障害の症状が出て悩んでいる場合はメンタルクリニックの受診をおすすめします。
もちろん単なる一時的な倦怠感、無気力感であれば良いのですが、適応障害と診断された場合、これからの仕事への向き合い方についても考える必要があります。
1、今の職場で働き続ける
このまま今の職場で働き続ける場合、まずは職場の上司にあなたの置かれている状況を説明して、理解を得る必要があります。
適応障害の治療にはストレスの軽減が重要なので、仕事量の調整したり、残業を減らすなどの相談を会社と行う必要があります。
理解のある会社であれば今の職場で働きながら適応障害の治療も可能だと思いますが、精神疾患に理解のない会社であれば仕事量の調整が難航するかもしれません。
ましてや原因が職場にあるのであれば特に難しいでしょう。
2、休職
適応障害はストレスの原因から遠ざかるのが重要です。
職場に原因があるのであれば、一旦職場から離れてのんびりリラックスする事で症状の改善が期待できます。
長期の休職ができるのであれば、休職をして心身ともに休息を取るのがベストですが、やはり理解のない会社だと長期の休職は難しいでしょうし、適応障害の治療には数ヶ月単位で治療が必要になる事があります。
休職中は給料も発生しませんので、あまり長期間休職してしまうと今度は経済的不安で結局症状がよくならないという可能性もあります。
3、退職
職場にストレスの原因がある場合は転職という選択肢も考えられます。
一旦仕事を辞めて心身を休めて新たな気持ちで再スタートするのも一つの方法です。
人によっては「今の職場から逃げてしまった」と考えてしまうかもしれませんが、健康あっての仕事なので、ストレスの原因から転職という方法で離れるのはありではないでしょうか。
「逃げた」と思わないで「脱出」と捉えると気持ちも楽になると思います。
まとめ
適応障害は誰でも発症する可能性がある精神疾患です。
特に毎日職場で強いストレスにさらされている方は要注意です。
「最近調子が悪いな」
と思ったらまずは休日に力一杯リラックスする事をおすすめします。
休日は仕事の事を考えずに、自分が楽しいと思える事を楽しんで、しっかり休養する事が一番です。
今現在、適応障害の症状で悩んでいる方は「仕事との向き合い方」を今一度見直して治療を優先した生活を考えるようにしてください。
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